トルコリラ円デイリーレポート 地形学的リスクなど【2017年5月10日】

トルコリラ円デイリーレポート 地形学的リスクなど【2017年5月10日】

■2017年5月10日のトルコリラ円動向■


《2017年5月10日 トルコリラ円チャート》

 先日のNY時間(日本時間で日付が変更された辺りから翌朝の早朝、東京時間の開始あたりまで)は、トルコリラ円はひたすら下落しました。

 日付が変わるまでは徐々に持ち直していたトルコリラ(31.800円付近まで上昇)だったのですが、変更後、続落。

 またもや32円を目前にして、叩き落された格好になったようです。

ドル円動向 北朝鮮問題

 まずは先日のNY時間から本日の東京時間にかけての米ドル円(USD/JPY)の動きについて。

 昨日のドル円は、3月中旬以来約二ヶ月ぶりに114円台を回復。
 一時は114.30円台まで上値を伸ばしました。

 ところが北朝鮮が核実験を実施する可能性がある、という報道が伝わったことで、リスク回避の円買いが再燃し、一気に失速。

 また米ロス商務長官の発言も影響したようで、
 
「ドルが強すぎるのではなく、他通貨が弱すぎる」

 という発言を受けて、ドルが売られました。

 また114円台を超えたことで、利益確定売りもあったようです。

 結果、ドル円は朝方にいったん113.600円台に押し戻されることとなっています。

 東京時間に入ってからは113.600円台を下値に、113.800台の間をうろうろする展開が続き、欧州時間に入ってからやや円安方向に振れつつも、113円後半での推移が続いているようです。

トルコリラ動向 クルド問題

 トルコリラの方はというと、ドルトルコリラ(USD/TRY)において、日付変更後に一気に急騰。
 FOMCメンバーの発言を受けて、ドル高で推移。

 9日の上値を飛び越えて、3.6200トルコリラを突破し、3.6300トルコリラに迫る勢いで上昇しました。

 どうやらアメリカがクルド人にIS対策のため、武器を供給すると決めたようで……これがトルコリラにとってよろしくない影響を与えているようです。

 ISはISISとかISILなどとも呼ばれるイスラム過激派組織で、中東で紛争を引き起こしている傍迷惑な連中なわけですが、クルド人民防衛隊(YGP)はこのISと戦っているわけですね。

 ISを敵としているアメリカにとって、YGPが強くなってくれればIS対策になるので、武器の供給はまことに利に叶っているわけです。

 しかしトルコからするとISも敵だがYGPも敵なわけで、ISが弱体するのはけっこうなのですが、代わりにYGPが強化されるのでは意味が無いということになってきます。

 昨今、トルコ国内ではテロが頻発しています。
 その原因はだいたいクルド人絡みともされているようで、そんな所に武器を供給されてはテロを引き起こす要因になりかねないと、トルコ側はアメリカの行動を以前から反対していたようです。

 にも関わらず今回の決定というわけで……トルコリラは残念なことになっている、というわけですね。

 日本とトルコ、遠く離れた国同士ですが、お互いに北朝鮮やIS、クルド人問題など、それぞれに地政学的リスクを抱えているわけでして、相場が少し楽観ムードになったかと思うと、冷や水をさしてくれるわけでして。

 こうなると、やはり平和が一番なわけですね。

 ともあれこれらの要因を受けて、トルコリラ円も下落。
 東京時間開始直前には31.300円台まで下がりました。

 就寝前にチャートを確認した時は32円回復もありかと思っていたのに、朝起きてみたら31円割るんじゃないかと心配させられる位置まで落ちていたので、やはり油断はできないものです。

 ちなみに本日は東京時間から欧州時間にかけてトルコリラ円は徐々に値を戻(USD/TRYが軟調に推移しているため)し、31円半ばで推移しています。

 下げ渋った感もありますが、もう落ちないで欲しいものですね。

デイリーレポートカテゴリの最新記事